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家かエサ箱の近くにいます

千葉県手掘りレポ その2

千葉のモンスター店 コレクターズ俱楽部 マニアック(東金市)

もう一泊してコレクターズ俱楽部マニアックに挑むことを決意しました。開店時間に合わせて向かいます。

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処分品のレコードが安置された入り口付近の小屋。右側にはシングル盤が天井付近まで詰まっています。細い通路の先はL字型の作りになっており窓もないため、外気との接触は通路だけです。

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波板で遮断された内部。LPが所狭しと並んでいます。心を落ち着かせ、集中力と根気だけを頼りに1枚1枚漏れなくチェックするのがディガー的心得ですが、数分で意識がもうろうとしてきます。実際どれほどの温度なのか?人間が生息していい温度なのか?

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近くのダイソーで温度計をゲットして首からぶら下げておきました。
高知の国内観測史上最高気温、41度を超える42度を指してます。

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前日の下見で武装なしでは危険なレベルと判断し冷却アイテムを用意しました。過酷な現場に相応しい頼れるアイテムです。

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外観はリサイクルショップにしか見えませんでしたが、お店の中に入ってみるとそこはレコード専門店になっています。丸1日かけても全てを見ることは難しいであろう大量のレコードです。国内盤が中心でレア盤なども陳列されています。

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購入量によって値引きもあるようです。破格の処分品ばかり買ったので、店内のレコードはそれほど手にとらなかったのですがそれでも半額にしてくれました。そんなに安く譲ってもらえるならまだ欲しいのがあったのに….などと欲も出てしまいますが、体力と気力はすでに限界でした。国内プレスのレコードで探している物があればなんかしら見つかるんじゃないかと思う品揃えです。値段も定価の時点で安いものが沢山ありますが、大量買いで割引してもらえればヤフオクなどを利用するよりも安く手に入るものが沢山あります。千葉県の太平洋側へ向かった際は是非立ち寄っていただきたいお店です。

コレクターズ俱楽部 マニアック
住所:千葉県東金市家之子453
電話:0475-55-2344
営業時間:10時〜17時前後
定休日:水・木曜日(不定休あり)

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なんだかんだでトータル100枚以上を買ってしまいました。今回に限ったことではありませんが、写真をとらせていただけるお店は一部で、撮影の許しをいただけないお店や通常はレコードの販売すらされていないお店などもあります。リサイクルショップは店主との出会い、そしてタイミングなども重要だと感じました。気合いと根性でレコードを追いかけ、欲しかったレコードがこの手で引き抜かれる瞬間は何度も何度も自分の目を疑ってしまうものです。「なわけないよな…でもそうだよな?でもあるわけないし…でもこれだよな?ちょっと待てマジか?マジだろ?」と脳内がパニックを起こす瞬間。徐々に確信に近づくにつれ嬉しさの余り自分を保てなくなります。千葉県のレコード事情、その全容にはほど遠いですが十分な成果を得られた今回のディグ旅でした。

2013/08/20 Written by naian

千葉県手掘りレポ その1

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夏場は手掘りに不向きなシーズンですがディガーズマップの作成を兼ねて千葉県へ行ってきました。出発は深夜。千葉県の南端、館山市へ向かいます。

生活館はおかみさんも素敵です(館山市)

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9時前に到着。開店準備中にも関わらず快く迎えてくださいました。

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店舗の一角にあるレコードコーナー。
夢中でレコードを漁っていると、おかみさんがやってきて「ゆっくり座って見ていってください」と椅子を差し出してくれたり、手が汚れちゃうと言ってタオルを持ってきてくださいました。リサイクルショップで出会った素敵なおかみさんにすっかり癒されてしまいました。

生活館
住所:千葉県館山市亀ケ原884
電話:0470-36-1344
営業時間:9時半〜17時半
定休日:木曜日

炎天下のファーストステージ、バラエティショップナナ(安房郡)

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軽く30度を超えるカンカン照り午後、のどかな山道を北上して到着したのがバラエティショップナナ。このお店が近所なら今日のところはしっぽを巻いて逃げ出していたと思いますが、連休と交通費を使って辿り着いたお店です。気合いを入れて探索に当たります。

06 外観写真にある波板天井で仕切られたスペースの内部。もちろんエアコンはありません。無造作に陳列されたお店は「お宝が出るんじゃないか!?」という期待が否応無しに高まります。奥地に埋もれたレコードの面影が見えたら、商品が崩れ落ちないよう慎重に移動し、レコードを物色するスペースを確保します。終わったら元に戻して再度スペースを確保するという繰り返しの作業。頭にタオルを巻いて挑んだものの、したたる汗は止まらず目が痛い。店内で缶ジュースを買いエアコンの効いた車内へ避難。そんなことを繰り返しながら無事調査完了。巷では密かなブームになっているエレクトーンモノなどいくつか救出しました。

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リサイクルショップには手洗い場が設置されていることがあります。レコードを見終わる頃には手が真っ黒になっているので有り難く利用させていただいています。相当な暑さなので手洗い場の水も「熱いお湯」になっていました。レコードは結構な数が置いてありますので、腕に自信のあるディガーさんにはトライして頂きたいお店です(ただし、涼しい季節がオススメです)。

バラエティショップナナ
住所:千葉県安房郡鋸南町市井原1141−1
電話:0470-55-9331
営業時間:9時〜18時
定休日:なし

バラエティショップナナさんで体力の全てを使い切り初日終了。2日目はお盆の行事を済ませて、東京湾側から太平洋側へ移動します。
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ブログで見つけたお宝の山! サティスファクション(山武市)

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太平洋側へ移動した目的はサティスファクションさんのブログ記事にあります。うぶ荷に出会えるならスケジュールに無理が出ても行きたい。見ないで帰るわけにはいかないという欲求にかられます。お店のHPやブログで店内の様子なども公開されていますので、詳細はそちらでチェックしていただければ思いますが、大量のレコード、そして破格のお値段に驚きました。内容が気になるけど手が出なかったレコードをこの際なのでまとめて買いました。

サティスファクション
住所:千葉県山武市松尾町田越73
電話:0479-75-4754
営業時間::11時〜19時
定休日:火曜日、金曜日
HP:http://stfaction.web.fc2.com/

サティスファクションさんへ向かう途中、事前調査で見つからなかった店舗を発見しました。店内には丸1日はかかるであろう膨大なレコード数々。果たしてこんなモンスター店舗と自分は戦えるのだろうか。ここはスルーして予定通り帰宅するべきなのだろうか。マイデングリ史上、最も過酷となった1日を次回のエントリーで報告いたします。つづく….
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2013/08/19 Written by naian

デンターシステマを使ったレコードクリーニング方法

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時の経過を感じつつプチプチ音の入ったレコードを楽しむのもよいですが、徹底してノイズを排除しクリアな音溝を針でトレースさせたい欲望は捨てきれません。
今回は水洗いでも落としきれなかったチリノイズを極限まで除去する方法を検証します。

前回までのおさらい
・激落ちくんの検証 水の「激落ちくん」でレコードを洗うと確実に汚れは落ちる
・水洗い方法 レコードの洗浄・メンテナンス方法

始めに、水洗いでは除去出来なかったノイズの原因を考えてみます。

・水道水の成分がレコード盤に固着しているのではいか。
・拭き取り用ガーゼに付着したチリ、または繊維が盤面に移ってしまったのではいか。
・溝の中にあるチリはスポンジでは落としきれないのではないか。
・洗浄後の水切りの際、レーベルステッカーの紙の繊維が溶け出して溝に入ってしまったのではないか。

以上の原因を考えました。
また、激落ちくんの拭き取りの際、茶色に変色した汚れはタバコのヤニではないかと考えています。タバコのヤニが付着しているレコードと非喫煙環境でのレコードではクリーニングの結果が変ってしまうかもしれません。今回も激落ちくんを使ってこれらの疑念をできるだけ排除することにします。

準備その1 歯ブラシを使ってマイブラシを作る。

まずは溝内部の汚れにメスを入れるため、マイブラシを制作するすることから始めました。
ネット上でデンターシステマが使えるという記事をいくつか見かけたので歯ブラシのヘッド部分を連結してブラシを作ります。

参考にさせていただいたサイト
バーボンのおつまみ:レコード・クリーナー “microgroove cleaner”

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準備したもの
・はんこ用のアクリル板 425円
・デンターシステマ 5本 890円
・3M 超強力両面テープ 680円
*切断用カッター(ニッパーでも切れるようです)
デンターシステマはレコードの音溝より細い0.02mm。これで溝の中の汚れをかき出せるはずです。

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ノコギリカッターでヘッドを切断しているところ。何故か残酷なことをしているような気分になります。

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両面テープを使って1個ずつ接着します。

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完成!手前にスペースを設けて持ち易くしました。これで溝の内部のチリをかき出します。

準備その2 精製水を用意する。

水道水の不純物がノイズの原因となっている可能性も捨てきれません。不純物を極力排除するため精製水を用意しました。

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ドラッグストアなどで売られている精製水。盤面に噴射しやすいようスプレーボトルも購入しました。

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念入りに共洗いまでしてしまうのは職業柄でしょうか。本職の手さばきです。

準備その3 洗浄用ターンテーブルを用意する。

マイブラシでしっかり溝をトレースさせるため、専用のターンテーブルを調達しました。またターンテーブルを使った洗浄の場合、レーベル面を濡らさないためチリや繊維が流れ出している可能性も排除することができます。

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リサイクルショップで500円で購入。一部破損などがありますが通常のプレイヤーとして再生できたのにはビックリです。

いよいよ洗浄します!

洗浄開始です。
1.レコードに激落ちくんを噴射して、マイブラシで10〜20回程度回します。
2.ガーゼで拭き取ります(激落ちくん拭き取り専用ガーゼ)。
3.マイブラシを精製水で洗います(激落ちくんの残留成分、チリを洗い出す)。
4.レコードに精製水を噴射して、マイブラシで10〜20回程度回します。
5.精製水専用ガーゼで拭き取ります。
6.4〜5の作業を2〜3回繰り返します。
7.完了!

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果たして効果のほどは?

ガーゼを使用しての作業となったため不安材料は残りましたが、水洗いでは取り除けなかったノイズを除去することが出来ました。数枚のレコードで試しましたが一度のノイズもなく再生できたものもあります。多少手間がかかるのが難点ですが、低コストで極限までノイズを除去したい場合は有効な手段になると思います。また市販のバキュームクリーナーを使えばガーゼを使う事無く残留成分を除去できますが高価なのがネックです。個人的には水洗いでノイズの取れなかったレコードや少しでもノイズを除去したいレコードは上記の方法で洗浄しようと思います。
以上レコード研究室からの報告でした。

*実際に試される場合は自己責任でおねがいしますm(_ _)m