水の「激落ちくん」でレコードを洗うと確実に汚れは落ちる

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誰しもが予測できるであろう当たり前のタイトルを付けてしまいました。結論から言えば水の「激落ちくん」でレコードを洗うと確実に汚れは落ちますが、はたして音質面での効果があるのかどうか気になるところです。

今回は同じLPを2枚使って比較検証します。
(基本的な洗浄手順は過去記事レコードの洗浄・メンテナンス方法を参照ください)
音源はリサイクルショップで長らく眠っていたであろうユーミンのミスリム。ブレイク物として海外でも人気のあるレコードです。

【テストその①】 1枚目 洗浄前の音源
【テストその②】 1枚目 水洗い(中性洗剤)後の音源
【テストその③】 2枚目 洗浄前の音源
【テストその④】 2枚目 水洗い(中性洗剤)+激激落ちくんで洗浄した音源

以上、4つを録音し比較試聴します。
*ヘッドフォン推奨です

【テストその①】 1枚目 洗浄前の音源
冒頭のドラムブレイクがカッコイイですがノイズに埋もれ気味です。溝に溜まったゴミを拾って再生しているのが確認できます。


【テストその②】 1枚目 水洗い(中性洗剤)後の音源
「テストその①」のレコードを中性洗剤で洗い、乾燥させてから再生したものがこちらです。S/N比が良くなって先ほどの状態が随分汚れていたことが分かります。リバーブなどの処理、音全体の見通しも良く見えるようになりました。チリノイズも幾分軽減された気がしますが、完全には除去されませんでした。


【テストその③】 2枚目 洗浄前の音源
続いて2枚目のLP。いわゆる中古盤なので多少のチリノイズはありますが、1枚目のものより汚れは少ないようでクリアな音質です。もしかすると先日まとめて洗浄したレコードかもしれません。


【テストその④】 2枚目 水洗い(中性洗剤)+激落ちくんで洗浄した音源
いよいよ検証音源です。うーん。静寂が増してしっとり粒立ちがよくなった気がしないでもないですがプラシーボ効果のような気もします。。。はっきりした違いを期待していただけに腑に落ちない結果となりました。

【結論】
水洗いと比較してはっきりとした違いは確認できませんでした。高品位なオーディオ環境で比較試聴すればまた違った世界が見えてくるのかもしれません。
特に期待していたのがノイズへの効果ですが、今回使用したレコードは状態があまりよくなかったこと(共にVG-〜VG+程度)、洗浄後に使用したガーゼが微細なホコリを付着させてしまった可能性などがあり、激落ちくんそのものの検証を難しくする要因となってしまいました。

一方で直接レコードに噴射してみると目に見える効果がありました。拭きとったガーゼが茶色に変色するほど汚れが落ちます。洗浄済みのレコードであっても同様の効果がありました。激落ちくんは中性洗剤でも落としきれなかった微細な汚れを浮き上がらせることが出来るようです。
ただしそのまま放置してしまうと盤面に水垢のような白い拭き残しが出来てしまいます。

公式ページのQ&Aにアルカリ電解水は空気中の二酸化炭素と反応し炭酸ナトリウムの結晶(粉末)を作ってしまうとあるので、これがレコードの盤面に残ってしまったのだと思います。激落ちくんでレコードをクリーニングする場合は最後に水洗いしたほうが良さそうです。

以上の結果から推測すると、
① レコードを水洗い(中性洗剤)して乾燥させる
② レコードに激落ちくんを噴射しガーゼで拭き取る
③ 再度レコードを水洗いする
という手順がベストアンサーではないかと思われます。
こちらは後日検証してみます。

【あらためて結論】
水の「激落ちくん」でレコードを洗うと確実に汚れは落ちる。