今年に入ってリサイクルショップばかり足を運んでいるnaianです。
9割はレコードが目的ですが、リサイクルショップで好奇心をそそられるアイテムに出会うこともしばしばです。
先日訪れた千葉県のコレクターズ俱楽部「マニアック」では壊れたポータブルレコードプレイヤー(500円!?)をレコード一緒に購入。もちろん動作しないだろうと思いましたが上手くいけば自分で直して使えるかもしれません。機械は全くの素人ですがdenkiDrさんのブログ「日立レトロステレオ電蓄シンフォニカ修復ダイジェスト」を拝見して、機械へのただならぬ愛情と職人魂が頭をよぎり自分でも挑戦してみることにしました。
案の定、電源を入れてもターンテーブルは回りませんでしたが、レコードに針を落とし手動で回転させるとスピーカーから音が出てきます。ターンテーブルの機構させ修理出来ればひとまずプレイヤーとして機能するはずです。
時代を感じさせるデザイン
随分古いモノのようで、年数経過によるダメージを含め趣を感じます。ONKYO PL-67という型番はグーグルで検索しても詳しい情報が上がってきませんでした。
LP用の33回転、EP用の45回転、SP用の78回転の3つのフォーマットに対応しています。
スピーカーを保護するサランネット。いくつかのビニール線を糸のように編み込む技法は今じゃあまりお目にかかれないデザインです。
分解してターンテーブルが回らない原因を探る
内部の構造。ターンテーブルが乗った板の背面です。電気的な機構は真空管1つとコンデンサ1つだけかと思うほどシンブルな作り。
ターンテーブルが回らない理由を一つ一つチェックしていくとシンプルながら工夫の上に工夫が重なった構造になっていることが分かりました。思わず「凄い!凄い!」と独り言が出てしまいます。シンプルで直感的な構造。まるでiPhoneの素晴らしいインターフェイスに触れた瞬間のようです。現代の製品とは異なり、細工のように組み合わせられたパーツは細かな部分まで交換が出来る作りになっています。
ここでターンテーブルが回る仕組みを上記の断面図で簡単に説明します。
モーターが回転すると、となりに接触したローターを経由してターンテーブルが回る仕組みです。モーターの回転速度は一定で軸の太さを変化させることでスピードを変えています。今でこそテクニクスのダイレクトドライブ方式などが存在していますが、当時はそのような技術はなかったか、または製品コストとしても高額だったのではないでしょうか。単一の回転数であってもこの機構によりLP、EP、SPに対応していたのです。
ターンテーブルが回らない理由はモーターとローターを連結するバネが延びてしまったことが原因でした。
ホームセンターで同じ径のバネを買ってきて取り付けました。モーターの軸に密着させることが出来ました。これでポータブルプレイヤーとしての機能をひとまず確保することが出来ました。
つづく….