リサイクル屋の向こう側へ

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みなさん、ご機嫌良く掘ってますでしょうか!? 闇雲なタイトルを勢いでつけてみたssmです^^

レコードを買い始めて、20年が経ったのですが。(これまで様々な出来事があり殆どの事をあまり覚えていない…)今回は近頃のレコード事情の中からリサイクル屋について何か書こうと思います。

恐らく、ADSL(ネット)が何処でも使えるようになってから、これまで聴けなかった国外のレアな音源もじゃんじゃん聴ける様になってしまい(ある時期まではかなり興奮して音源を聴きまくって、知った気になって)それまで高貴なお宝(レコード)がなんだか霞んでしまって、値段も内容もわかってしまいつまらならいなぁ〜と、どんどん思う様になって。(それでも、欲しいレコ沢山有り。)

一般的には音楽にお金を使うなんて…な時代にさしかかり、周囲でもレコード屋に行く人やレコード屋そのものが如実に減少して行きましたが…こうなってからは、国内の市場はブラックミュージックが値崩れしだして、単にみんなが飽きてしまった事やレコードを買うお金を捻出できないなどが考えられ、とにかく退屈してんだなとか・ネットで便利になり外国のモノや文化といった情報が身近になり、世界の垣根がとっぱらわれた〜みたいな事は感じていた。

順番はわからないが、ナショナリズムみたいな風潮に酔って楽しむ!?低価格で気軽に買えるのが魅力な国内のレコードが再評価されだし、そして、これは後でそう思う様になったんだけど、世界的にみてもご当地物を発掘するみたいな風潮がでだして、世界のディガーが自分の地元担当みたいな分業になっている様にも思え、勝手に純粋にディスカバリーを探してるのを感じ、やっぱみんなすげぇ音楽好きなんじゃないのかよと勝手に感動して。

何だかネット以前に戻ってるような気がしてきて自分も自分の担当場所を掘るよみたいな事を思い、それが、レコードで繋がった知人に再開したような嬉しさがこみ上げてきたりしたんですが、あれ!?ちょっと書いてて大丈夫か?不安になってますが、このままいっちゃいます。

そのような事柄を通過して、今はレコードを買い始めた高校生の頃のような心境で新鮮な気持ちでレコードを掘れていて今が一番楽しませてもらってたりするんだけど…数年前までは、地元以外のリサイクル屋さんなんてほとんど行けてなかったんだけど…個性=危険みたいな窮屈さが日常に溢れていて、どこもかしこもキレイになってしまってるけど。

リサイクル屋はお店事態に危険が溢れていて(モノが崩れそうだったり)、濃いグレーから薄いグレーゾーンが多々存在してたり、価格があってないや、お宝(レコード)にも巡り会えるし、海外で買い物をするような交渉みたいな事も割と面白い。荒っぽい所もあるし、思い通りにいかない事だらけでその辺も含めおもしろいんです。ここまでの雑記を踏まえちょっとだけリサイクル屋の向こう側が見えかけたのでおまけ的に分類を紹介します。

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リサイクル屋さんの分類は大きく分けて2種類
1つは、上の写真のような一般の人も稀に行くであろう普通にお店っぽい感じのリサイクル屋さん多くはこの類いに属します。このてのお店はだいたいが販売で商売が成立しているお店なので、お店によってはレコードは辞めてしまうお店も少なくはありません。でも、それが商売でまともって奴だともおもいます。

レコードがあれば値段も200円くらい〜という感じでお店によっては微妙で700円一律なんて所もあり値引きもほどほどです。

個人店は時間や休みが個人的になりがちなので事前連絡は必須です。その他は、ほぼなにも武装せずにいっちゃって問題ないです。ただし、看板へレコード買い取りとかレコードとか書いてあるお店は警戒が必要です。お店によってはやりづらい人がいるので気をつけてください。

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2つめは、上の写真のようないかにもな…表立っては一応リサイクル屋さんみたいですが、他にも遺品整理や解体や引っ越し屋やなどの他の糧があり、取りあえず売ってはいるというお店。(お店で良いかは不明でそういう所です。)

危険な目印は”○○リサイクルセンター”とセンターがついてると”警戒”が必要になります。こういう所は基本的にモノが乱雑にただただひたすら置いてあります。レコードなんて、かなりぞんざいに扱われているので、スタッフに聞いて無いと言われても、レコードを探しているという意志だけは必ず伝えましょう。結果的には自力で敷地内を探すやタンスや物の下敷きになっているのを掘るパターンが多いです。

値段は場合によるので1枚100円しないときもあるのでその辺も向こう側がみえそうな要素です。そして、お店の人が無いという場所にも有ったりするのでガチで宝探しに突入します。ここまで行くと最上級になりお店なのかという疑問が生まれ客と店員の垣根は崩壊します。なんか強い思いがないと中には入れないレヴェルです。

こういう所へは季節に合わせてアイテムが必要になり無いと最後まで掘れません。手袋/マスク/ウェットティッシュを基本とした+αの(ライトや虫除け等)アイテムが必要になるのでどうか忘れずに準備して参じて下さいませ。その後に、ハードオフやレコード屋に行くと『レコード綺麗だな〜室内で掘れるって最高だなぁ〜』なんて思ったりしだすので、向こう側には行けた気になれます ^^

掘り起こし!2013年 円盤レスキュー・アワード ピクチャーレコード編

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三匹の仔鹿 / デューク・エイセス

愛らしい子鹿のイラストが書かれた三井銀行のソノシート。「子鹿出た!」と、いい年ながらリサイクルショップで胸を弾ませてしまいました。薬売りのおじさんが背負った玉手箱から、ゴム風船や紙風船が出てくるあのワクワク感を彷彿とさせる出来事です。作曲は三保敬太郎でソフロっぽい仕上がり。

 

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SANYO GET AT THE WAVE / 小久保隆、藤竜也

窓を締めても波の音が聞こえるほど、石を投げれば海に届くほど海の側に住んでおりますが、波の音が入った集音レコードを見かけたらいつも買っています。A面は全編に渡ってネイチャー系のシンセが漂う美しく心地よいサウンドが収録されており、漢、藤竜也さんの砂浜スナップがヒトキワ熱い逸品です。
レコードプレイヤーの上で砂浜を歩く藤竜也さんがくるくると回転する姿をながめながら男を奮い立たせたいと思います。

 

The Fantasia of Falls / Mitsui Water Theater

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雪山の大自然を背景にロボットダンスをするロボット。巨大なコントローラ(?)で操作する地球では見慣れない風貌の人物。絵ヅラだけではどんな音楽が入っているのか想像しにくいですが、こういうレコードは迷わず買います。ずっと欲しくてようやく手にした1枚は嬉しいものですが、リサイクルデングリをはじめて正体の分らないレコードを聴きながらネットで詳細を調べる作業も新鮮で楽しい時間です。このレコードは1985年に開催された科学万博つくば、滝の劇場三井館のテーマが収録されたレコードで、一部、海外でも知られているようです。万博と言われれば万博っぽいですが、プログレと言われたらプログレに聴こえてきます。

以上、ピクチャーレコード編でした。

掘り起こし!2013年 円盤レスキュー・アワード

昨年はリサイクルショップで1000枚に迫る勢いでレコードを買ってしまいまいましたが、その中から印象に残ったレコードを報告します。

ワタナベ印刷

ワタナベ印刷株式会社30周年記念 / SONG OF WATANABE PRINTING

ワタナベ印刷株式会社30周年記念として制作されたらしい7inc付きブック。
A面は社歌、B面は音頭と書いてあるので、曲名というかジャンルの説明と言った方がいいのでしょうか。誰にでも分る親切な設定です。歌は山本恵子さん。
ワタナベ印刷音頭は小林亜星の楽曲にも負けない破壊力で、気がつくと「ワタナベ印刷、い〜ぃ仕事ぉ〜♪」と口ずさんでしまう浸食性があります。
なお、ワタナベ印刷さんは千葉県木更津市を拠点に現在も広告業界を支える会社のようです。このレコードも千葉Digの際に救出しました。

ワタナベメディアプロダクツ(旧ワタナベ印刷)
http://www.protos21.com/

果てしない雲海を越えて

果てしない雲海を越えて / EUROPEAN AIRBUS A300

東亜国内航空エアバスA300内のドキュメント録音。最初に針を落とした時、今まで聴いてきたアンビエント〜アシッドフォークとは何だったのか、、、今一度凝り固まった概念を吐き捨てて正面から向き合わなければいけないと感じた衝撃作です。ジェット機のエンジン音、パイロットの生々しい会話の上に突如現れる爽やかなフォークソングとのハーモニー。ジャケット、インナースリーブをくまなく見てもアーティスト名がクレジットされておらず、ネットを徘徊して分ってきた「アップル・ハウス」というアーティスト名。「スプリング・ソング」、「フライトレベル330」の2曲が収録されているようでいずれも素晴らしい作品です。メンバーの百塚さんは現在六本木で「味の店 八ちゃん」という老舗焼き鳥屋をされているそうなので、一度お店に遊びにいきたいと思っています。詳しくは以下のブログをご参照ください。

飛行機ダイスキ! |「高度一万メートルの再会」(武田一男)
http://press.airjapon.com/515.html

 

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祭りの四季 日本の祭囃子 / 見砂直照と東京キューバン・ボーイズ(左)
全国横断 ふるさとの調べ(右)

伝統音楽だろうと侮っているとそのアバンギャルド具合に打ちのめされてしまったレコード。
見砂直照と東京キューバン・ボーイズの祭りの四季(左)は目を閉じて聴いていると奏者達がKODO(参考:You Tubeのリンク)の絵になります。演奏終了の時はスタンディングオベーションで「ブラボー!」といっしょに(!?)叫びたい。

全国横断 ふるさとの調べ(右)はジャズやラテンのエッセンスで奏でられていて、特に沖縄民謡はなんとも不思議で美しい作品に仕上がっています。
ジャケを見て少しでも気になったら迷わず買えるのもリサイクルショップディグの楽しみです。

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DISCO PARTY / ファンタスティック・サウンズ・オーケストラ(LP)
ソウル ハッスル / コロムビア・オーケストラ(EP)

今やどこぞのスーパーでも洒落たブラジルやAORが垂れ流される時代。廉価なサウンドで僕達を楽しませてくれるのはセブンイレブンとハードオフのBGMぐらいになってしまいました。

しかーし、諦めるのはまだ早い!
リサイクルショップなら期待値を大きく外れる、ひっくり返って魅力的なブツへと深化する作品が数多く眠っています。ジャケからにじみ出るハズレ感。それも相当なレヴェルのハズレ感。

この2枚はジャケのみならず、アーティスト名、タイトルまでもがハズレオーラを放っている点で頭一つ抜けています。

DISCO PARTYのインナースリーブには「最新盤 ディスコ・ヒット・ベスト 20」とあり、当時のディスコヒットがセブンイレブン風のテイクで楽しめるストライクな内容。

ソウル ハッスルは(社)日本フォークダンス連盟が監修、フォークダンスから見たソウルなのか、はたまたディスコなのか、はやる気持ちを押さえつつ針を落としたものの、ソウルやディスコの面影すら皆無な作品。説明書きによると「韓国の首都、ソウルーその民族の心の叫びでもある”ジャルイソョ”の曲により、チューンを基調に、ハッスルの踊り方の基本とバリエーションを含めてまとめられたのが本レコードであり、また踊り方である。」とあり、オッサンの駄洒落をモロに喰らったような苦いオチ。嬉しい体験より痛い失敗の方が案外印象深いのかもしれません。

まだまだ、円盤レスキュー・アワードとしたいレコードがありますが、
開いた時間にすこしづつご報告いたします。
naian